日経「新人さん、ここに気をつけて」への気持ち悪さ


 社会人になるまで常識が身に付いてないのはなぜか?必要としなかったから.
 社会人になって常識が必要になるのはなぜか?仕事の目的・成果につながるから.


 河野は 日経産業新聞しか購読していない身なので、日経本誌は読んでいないのだが、会社の偉い人から(来年の新人研修の内容決定に関わっているから)参考情報として送られてきた日本経済新聞(08年3月1日のNIKKEIプラス1 の一面らしい)記事のネタについて.全国の30-59歳の会社員、公務員の男女に、これまで職場で出会った「困らせられたり、腹が立った新人」と「働きにくかったり、愛想を尽かした上司や先輩」について.有効回答1,030人だそうで.

「新人さん、ここに気をつけて」


1位挨拶がきちんとできない
2位メモを取らず、同じ事を何度も聞く
3位敬語を使わない
4位雑用を率先してやろうとしない
5位ホウレンソウ〈報告・連絡・相談)ができない
6位同じ間違いを繰り返す
7位返事がない
8位自分のミスを謝らない
9位「指示待ち」で自分から積極的に動こうとしない
10位プライドが高く、知ったかぶりをする
11位忙しい先輩に「手伝いますか」の言葉もなく帰るなど、協調性がない
12位仕事中の私語が多い
13位注意すると「逆ギレ」する
14位仕事の優先順位がつけられずパニックになる
15位好き嫌いで物事を判断し、露骨に態度を表す


 これ読んで、「日本おかしいよ思考」症候群の河野は 気持ち悪さを覚えた.簡単に言っちゃうと、この中のほとんどの事項って「仕事」としてのスキルでなくてそれ以前の生活の中で得ててほしい常識を列挙されてるわけでしょ.でも、それらの常識が 社会人になる前に得られていないってことは、少なくとも大学生活の中でそんなことが必要とされてこなかったってこと.誰にも注意されなかったってこと.注意されても 直さなくても害がなかったってこと.そんな「現実」について落胆するだけで、誰もその「原因・理由」への解決策や解がないんだよね?

 その根本はいいとしても、なんで社会人になって「それ」が必要なのかってことを 単に押し付けるだけでは、本人たちに何もプラスを生まないだろう.X=Yのようにセンター試験的解法を与えてしまうと、結局 例外処理の時には何もできない人間ばかりになってしまう.



 なぜ、社会人になってこれらの常識が必要なのか ちゃんと理由を付けて教えてあげてください.

 それは「企業が 人に対して何かを提供するのが使命だから」だ.企業は多かれ少なかれ、誰か「相手」があって 何かを提供して、その対価をもらって成立している.

  • 店に入ったり、営業のときに「こんにちわ!」とも言えない相手より、言える人から買いたい.
  • 「これが欲しいの」って客に言われて、「えっと、何でしたっけ?」って何度も聞く店員から買いたくない.
  • ぶっきらぼうな相手より、ちゃんと自分を見てくれる相手から買いたい.
  • 何があったか分からないまま物事が進んで行くようなサービスは受けたくない.
  • 同じ間違いをしていると顧客は離れてしまう.
  • 「すみませんー」って声かけても返事しない店員の店は、嫌な感じがする.
  • 顧客からの「指示待ち」では、売るものにならない.
  • 自分のミスを謝らないような反省の無い企業から、リピートしたいと思わない.

当たり前のように、自分の商売で そんなことへの敏感さを養うために 毎日の生活、常識を実行するのだ.顧客に対して「何かお困りですか?」と言えるようにするには、普段からのトレーニングも必要である.
 常識はマナー・躾 なんて一言で終わらせては 若者は納得いかない.これまでそれで損したことが無いのだから.自分がこれから取り組む新しい世界の中で、「人」に対する敏感さで 商売の結果が変わってくる、ということを伝えてほしい.



(しかし、私がその15項目・・・全然できてないんだけどね :P)
 もっと言われたことを素直に租借するようにしよう.すぐに「てめー、結果出してから言えやー!」とか言っちゃうんですけど、言われるからにはそれだけなんかあるってことよね、、、って受け入れるようにしよう・・・.という河野の目標.