「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」を見て

 実にアメリカっぽい.
 「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」を週末に見たんだが、相変わらずトム・ハンクスは 味を出した役柄を演じているものの、ジュリア・ロバーツが全く霞んでいる...
 それは置いといても、実に偏った感覚を与える映画だった.それが意図なのかもしれないが、コメディ映画に属して発表しているだけに、あの映画の裏側にある史実に どのくらいの人が注目することができるだろうか?「ソ連のアフガン侵攻を止め、冷戦を終わらすきっかけにした英雄」として表彰されるところから始まるが、そのチャーリーのとった行動が 後々どのくらい傷跡を残したのか.*1 いかに善意や思いやりであっても、短絡的であほな結論を出す人間に権限を持たせてしまうと、どのくらいまで影響が後に残るかを冷静に見つめたいところ.まぁ終わったことは後の人に任せた!なんていう現代人刹那的考えが正しいといわれてしまえばそれで終わりだけれど.“ガス*2”くらい典型的な偏った表現で描いてくれれば、それはそれで映画の深みを広げるものだが、イマイチ チャーリー役が上手すぎて感情のコントロールの仕方が鑑賞者には難しくなりそう.
 まあでも、脇役との駆け引きやそのリズム感など 映画としての装飾はとても上手くできていると思うので、テーマを無視すれば面白い映画.

 しかし、なんでこの映画配給に NTTドコモが出資しているのだ?

*1:まぁエンドロール前に注釈的に「しくじった」的に書いてあったけど.

*2:あの「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマンなのね、相変わらず変わった役をするなぁ.