マイナビ広告にみる新卒採用の費用対効果と今後の一案

 マイナビ広告についてのTweetが結構流れてくるので、少し書いておこう.
 数日あまり寝ていなくて横になっていると寝そうなんだけれど、今日でヒト山超えたので ご褒美にblogを書く時間にしようと思う.


 このマイナビ広告を見て、またそれに対する批評を見て、「ああ、日本ってようやく“努力しないと置いていかれる”という危機感を持てる時代に一歩近づけるかもね」と思った.
 きっとこういう新卒就活はもう維持できないよ.そしたらきっと、今多くの人たちがやっている「中途就活」のような状況に近付くんだろうと思う.そして企業側も、年功序列・終身雇用ではない「使い捨てない雇用」が出てくるだろう.

第一の変化可能性(数)

 そもそもたくさんの雇用ができなくなるんだから、選りすぐるしかなくなる.企業が青田買いして囲い込むほどの体力もなくなる.(後述する“第四の変化可能性”を踏まえ、中期的な教育も含めた上での青田買いなら有りかもしれないが、これはこれで学生側に何か別に失うものがありそうなので これも選択肢の一つでしかないと捉えるべきだろう.)

第二の変化可能性(手法)

 選りすぐりの手法・選りすぐられるための努力が確立化される.ある人はエージェントを介して 良さを入れ込んでもらい、マッチング可能性を高める.企業にとっては高いマージンは払うが、ちゃんといい人を見つけられるようになる.ある人は、自分でエントリーして独自のアピールをする.
 これは「過去の実績・経験がある中途採用」だからできることだ と言うかもしれないが、第一本当に選りすぐったいい人という市場になるなら、

  1. 新卒者でも評価のできる指標を持つエージェントが出てくる
  2. 新卒者自身も学生時代から何か実績を残すべく過ごすようになる(その時の指標は決して、インターンやバイト歴だけでなく、学生としての内容だって見る可能性は高い.理由は後述)

これらの現象が新たに生じないとは言い切れない.
 逆に言えば、中途転職エージェントとしては実行できているのに、「同じ企業」の新卒サイトが、一斉受入れの「私書箱郵便局」みたいな活動で甘んじていること自体が、就活支援サイト企業の怠慢だと思う.クライアントとなる企業も大なり小なり、そういったエージェントに金を払ったりしているのだから、質の低いスクリーニングにお金を払って、本当の採用人数に絞るまでに何度もスクリーニングを自社でしなきゃいけないなんて あほらしい二重投資への費用対効果について再考すべきだ.

第三の変化可能性(人材ニーズ)

 仕事でテクニックを「持っている」ことの評価軸でしか捉えていない現状の中途採用の考えでは成立しないことではあるが、持っていることではなく「後々持つことができるポテンシャル」の評価で人を選ぶことが重要になってくるだろう.事業で変化しないとオワコンになることを理解した組織は、変化し成長できる人が一番の宝であることに気付く.いい方向に変化・成長できる人を見抜くことが重要になる.

第四の変化可能性(社員教育投資)

 多くの新卒の場合、取ったら何らかの「教育投資」が必要になる.「うちの会社は、全然そんな社員研修ないから、投資なんてしないよ.OJTさ.」なんていうところもあると思うが、「クオリティ高く働いてもらえる」ようになるまでの「時間」や「他の人への影響」を考えれば、教育投資は「直接的か間接的か」「短期か長期か」を問わず 何か生じている.このコストをよーく考えることは大事だろう.


 以上のような理由で私は、一つ新しく生まれる可能性のある いい方向性を期待している.

 ちなみに自分自身は、新卒採用は1社ピンポイントに自分で応募して、それ以外は考えてなかった.中途転職は、自分で応募したものとエージェントに入ってもらったものと両方やって、両方とも内定いただいたが、エージェントを介したほうを選ぶ結果になった.両方のパターンを知ることができて感じたことが上記だ.どちらの方法も良い面があって満足しているが、間を入れると自分では気付かない部分へもカバレッジが広がるので(「対象先」自体も広がるし、「自分自身についての表現」も自分一人でやるより広がる)、手法の選択肢があることが重要だと思う.


 そうか、今日は新卒採用の解禁日だったのですね.っていうか、働くところ決めるための活動を開始する日まで決まってるんだ...早く活動することで失うものが双方あるはずなのよ.それに気付いて活かせ!


 ふぅ、途中で寝落ちせずに書き終えることができた.