「保存」という行為のシンボル

 ほとんどのPCアプリケーションの「保存」ボタンのシンボルは「フロッピーディスク」になっている.きっとそれらのアプリケーションを使っている人の数割は、フロッピーディスクがなにものかだなんて見たことのない人も出てきているはずだ.

 かと言って、何が一番いい「保存」のシンボルなのかと考えたときに、今のデジタルモノでは保存場所が 形の見えない場所(HDD)であったり、どれもこれも形が違ったり(DiscやMemory)なのでイメージにしにくい.そのうち「雲」なんてシンボルが出てきてしまうんだろうか・・・とぼんやり考えていたが、そもそも「保存」というのはどのような行為なのかということを考えることにした.

 はてなでは、下書き保存が「ノート」に「鍵」マークが付いている.なるほど.でもちょっと違うよね.「鍵」ってセキュリティのイメージが強い.ロッカーとかタンスみたいな存在が近いのだろうか?そう考えると、日本語では「保存」と表現していると「記録する」「残しておく」イメージが強い.しかし「Save」というと「蓄える」とか「退避させておく」というイメージもできる.後者は日本語で言う「保管」の概念のほうが、本来の人間のニーズから見れば正しい表現かもしれない.
 そこらへんの「保存」「保管」の本質を捉えると、今のクラウド議論は方向性が変わってくる可能性があるだろうし、そこをどう捉えているかが 事業の方針をはっきり表すことになるだろう.