映画「天使と悪魔」

 この原作は、私は5年ほど前に単行本で読んで 本当に大好きな一作.扱っているテーマ柄、ダ・ヴィンチ・コードよりもずっと好きである.映画をやっと昨日鑑賞.もう5年も前に読んで 結構記憶があいまいになってたので、新鮮で尚且つまとまりよく見ることができた.
 小説最大の非現実的「ラングドン飛び降り事件」はちゃんと回避されていましたね.そりゃそーだ.


 で、感想を一言で言うと、カメルレンゴがアホに見える.
 悲しい、この小説の醍醐味は カメルレンゴだったはずなんだ.映画では、ただの若く浅はかな反科学思想のアホに見えて残念.ハードカバー小説版の下巻124〜134ページの発言を読めばわかるように、カメルレンゴのキャラはそうは作られてなかったはずなのになぁ.

「民に力だけを与え、その使い方に関する倫理の枠組みを示さないというのは、どんな神でしょうか。子供に火を与えるだけで、それが危険だと注意してやらない神とは、いったい何者ですか。科学の教科書には核反応を起こす方法は書かれていますが、その善悪を問う章はないのです。」

「あらゆる信仰とは、この世には人間の理解を超えた偉大な存在があり、わたくしたちはその存在に対して責任を負っているという戒めなのです。」

 あと、あの美しいシンメトリーの焼印があまりフォーカス置かれてなくて残念!
 だけど、「思いやり」という表現はとてもよかったと思う.