卒業する日・手に入れたいものの勘違い

1年ほど前、縁があってお会いする時間をいただいた*1冠城さんが言った.
「人は「場所」を卒業する日が来るんです。
 人の方がその企業の器にハマらなくなって、
 卒業することはあるんですよ。
 河野さんにも卒業の日が来たんですね。」
と.
あの時は、『企業は成長するもんだ』と疑ってなかったので、
よくわからなかった.
Sonyをやめる時にそう言われたんだが、ピンと来てなかった.



でも最近思うんだ.

場所だけじゃなくて、「人」も
他人から卒業されることはあるんだろうと思う.
多くの人に卒業されないくらい、成長し続けたい.


しかし、それより困ってるのは、
自分がそれとなく、「ああ私、この人から卒業したがってる」
って思ってしまった時だ.
こんな思考をしてしまう自分が、
とっても恥ずかしいことだとは思うんだけど.


「期待」する内容を変えることで
できるだけ、卒業しなくても済むようにする.


無知は可能性である、と捉えること.
それが私の見つけた「期待」の変え先の一つだ.

クルマを「馬のない馬車」と捉えてはいないか?
http://blogs.itmedia.co.jp/akihito/2009/01/post-ed6e.html


それでも、
受け入れられなくなっているかもしれないという恐怖がある.
自分が怖い.


自分の器量の狭さや退化に恐怖しているのか、
ただ新しい場所に行くのが怖いと言っている、学生みたいなものか、
ただ自分が、サディスティック思考なだけなのかもしれない.
うまく判断できていない.

ほしいもの

「自分がほしいと思っても手に入らないものは、
 実は合っていないものなのかもしれない.


 ほしいと思っていないのに、
 ほしいものを持って来てくれている人が、
 本当に必要とすべきものなのかもしれない.」


そうやって、一度立ち止まるようにすることを
心がけている.



中学のときに、
私はサッカーが大好きで、無理矢理サッカー部に入れてもらった.
普通の枠じゃないから、受け入れてくれる人は少なかった.
周りの部員に理解を得られないことに、嫌われることに、
毎日泣いていた.


そのとき一人の先生に
「どうして手に入らないものを欲しがるの?
 こんなに周りに、あなたのことを必要としてくれてる人が居るのに。
 その人を大事にすればそれでいいじゃないか。」
って言われたんだ.
ああ、私、大きな間違いをしていた、ってそのとき絶望した.
自分がただ わがままなだけだったと知って、
絶望して、それに気付く前よりももっと泣いた.


そして、次の日に、サッカー部を辞めて
呼んでくれた陸上部に入った.
陸上が最初から好きだったわけじゃない、
面白い体験をさせてもらった恩恵があるから
今も好んでいるけど、きっと自然に好きなものじゃないんだと思う.


私は今、自分のエゴだけで
合ってないものを手に入れようとしていないだろうか?
冷静に考えられていないだけではないだろうか?

再度考える、卒業

本当の卒業は、
もっと大事にすべきものに比重を置く、だけなのかもしれない.


これも中学の時のことだが、
ある時、「人を信じる」ということが、
人の言っていることを受け入れるという受動的のものではなく、
もっと能動的なものであると気付いたことがあった.
例えば、自分がとあるブランドのファンになるというのに近いかもしれない.


気付いたきっかけは、そのときの担任の先生が
クラスが荒れ荒れ(?)のときに発した言葉だったと思う.
その年の冬休みの課題だった「新年の誓い(年初の初心表明作文)」にこの「今年の目標は信じることだ」って書いたら、
なぜかみんなからの支持が高くて、校内で音読させられたことがある.
なんだったんだ、あの「新年の誓い」行事は.


それはいいとして、
その「信じる」の話と繋がって、さきほどの
”必要としてくれる人を大事にする”事件が起きたときに、
「そうか優しさって、
 みんなに同じくらいの基準・内容の優しさを配ることではなくて、
 その時に必要とされている量の優しさで対応することなんだな」
って気付いたんだ.


だから、
「本当の卒業は、それまでよりも
 もっと必要とされ、大事にすべきものに比重を置く、
 だけなのかもしれない.
 状況が良くなれば、その必要とされる重さは変化する.
 それだけなのかもしれない.」
そう、思ったよ.



って、またこのエントリも、書こうと思って昨日用意してたのとは違うものなんだよね、、、でも、「ファンになる」とはどういうことかという話でもあるから、今回の続きでもあるね

*1:ちなみに、残念ながらヘッドハンティングされたわけじゃないです・・・、アドバイスされたのは「もっと”キャリア”というものをどう成長させていくかを考えて、仕事に取り組んでみるといいかもね。」「河野さんは、サラリーマンというより、政治家みたいなことを目指してますねえ。」と.