開発ツールの提供という、一つの正義

Xcode使い始めて、本当に深くこう思うようになった.
よくできている.
私はエンジニアではないんだが、そして次の起業では
全部自分で作ろうなんてこれっぽっちも思っていないんだが、
人に使ってもらわれている一番いいものを
自分で触っておかないと、
世界が見えないと思った.
自分の作りたい世界を 絵に描いた餅にしないように
とにかく使ってみなきゃ、と思った.


まず、使うというかコードを書く前に、
セットアップの作業とかを、参考書を買って読んだりして進めていく中で、
もう既にそこで驚愕した.
よくできてるよ.


難を言えば、Ver. upごとのXcodeの変化が大きくて、
売られている参考書や、サンプルコードが
あんまり勉強のために活かせないことが多かったくらい.


こんなに、美しい開発ツール群(SDK云々とか、Xcode自体のできとかだけじゃなくて、
AppStoreのルールまでも含めた 一気通貫した総体として)って、いいなあって思った.



作り出すツールを簡単にして、人々に提供するのは
正義だと思っている.


容易で安価なツールの可能性

一部の人にしか使えない高度なツールは、
多大な努力で得られる結果を明確化させる とも言えるが、
ある意味 最初の環境に恵まれているかどうか
所与の条件によっての習得率が影響することが多いはずだ.


簡単なツールを安価に配布するということは、
開発者としての参入障壁が低くなる.
難しいツールは、もしかすると 作り出すまでに
他の前提知識が必要だったり、お金がかかったりするかもしれない.
そして、それができない人たちが 世界中にはたくさん居る.
そんな余裕が無い人たちがたくさん居るのだ.


「これさえやっておけば、職になるかもしれない」
という希望を求めて、発展途上国では
「教育だけは」「まずは教育から」と取り組まれているわけだが、
まさにコレだ、と思うわけだ.



今でも大好きな本の一つではあるが、
ガーシェンフェルドの「ものづくり革命」という本がある.
(これまでにも何度も話題を出しているかもしれないが)
パーソナルファブリケーションについての本だ.
その当時ではまだ一般的には遠い存在だった
3Dプリンターなどの可能性を書いていた.
その頃、100ドルPCなどの話が流行っていたが、
この本では「プリンター」が初めて家庭用に普及したときに
名刺を自分たちで刷りだした話を出して、
パーソナルファブリケーションの可能性を説得力のあるものにしていた.


この時も、後述する工場実習の中で思ったのと同じように
「そうだよ、コレだよ」って思った.


簡易さが招く、低賃金労働搾取

しかしその一方、
簡単なツールと言うのは、前述の逆説的に当たり前の話だが
人月単価の安い後進国の労働力で対応できる蓋然性が高くなる.


昨今のソフト開発は、世界各地へ受発注し始めているわけだが
その中でも、nativeアプリなら得意な国(会社)もあれば、
Web viewベースが得意なところもあれば、サーバサイドだけ、とか、
AndroidはOKだけどiOSはNG、Cはできてもjsは勘弁して・・・
なんて偏りは当たり前に存在している.


ただ行き着くところ、やっぱり「需要があって」「学習障壁の低い」ものは
たくさんの労働力が集まるよね.



結局、安い労働力を搾取することを助長したいのか!
という意見もあるだろうが、
私は、それだけではない希望がある と思っている.
ただし、これから更なるルールを構築できれば、の話だ.


安易な労働の次を用意する、という意味

ソニーに入社してすぐに、嫌々ながら行った1ヶ月の工場実習があった.
確かに、泊まり込みで1ヶ月も、しかも早朝集合の毎日とかって
自分の家が大好き&朝の弱い私は、本当にいやだった.
本当にいやだったが、あそこで ふと気付いたのだ.


どんなに、事前の学習をしてなくても
始められる労働内容、そしてそんな労働の場所があるって、
正義だし、とても可能性があるものだ と思ったのだ.
だって、日本語すらはなせない人も、
関係なく仕事ができているんだよ?
ホワイトカラーしか受け入れない会社とはだいぶ違う.


工場は人に「労働のStep up」を作っていた.
簡単なことができたら、もっと高度なことが次に挑戦できて、
給料(?)も権限も上がっていくわけだ.
すてきだ.
なんて人に優しい「仕事作り」をしているんだろうか.



私が次にやろうと思っている仕事の一つは、これだ.
ほんとは、学生時代にやっていた仕事も
とある分野でこれを構築したくて、仕組みを作っていた.


家電メーカーではない領域で、これをやりたいのだ.
Appleが作ってきているものは、その正義に近い位置に居ると思う.


今日書いた理由、てか恥ずかしいの(〃∀〃)

たまたま今日、@piyotoriさんとやりとりしていると、
最近その領域のネタを 某場所に書き込んだと聞いたので、
ああこれは、今 エントリしておくべきだ、と思った.
はてなダイアリーには、そこにトラックバックできないし
引用することもできないのが残念ではあるが.
ちょっと書き換えて、どっかにちゃんと書き直してよw>@piyotoriさん



実は、自分が隠れて毎日少しずつコード書いてることは
恥ずかしいので(〃∀〃)、まだ言いたくなくて
何本かちゃんとAppStoreに ひっそりと出したあとに
このエントリを書く予定だった.
3日目にして、ようやく思い通りの挙動でビルドが通るようになったよ.
しょーもないnativeアプリだけどね.
ソフト書くのって、10年以上ぶりなんだよね.
てか、10年前でさえも黎明期のMarkup言語使ってたのがメインだったから
本格的なプログラミングって、実はズブの素人でした.
文系学部とはいえ、SFCなので サラッとJavaは触らされたりして
頭の中では分かってたつもりだけど、
まあでも、実際動くものを書くのには 高い壁を感じて、ちょっと不安だった.
でも、よく考えると8年前も、全く触ったことの無い状態から
独学でFlash movie作れるようになったし、
きっと時間を取って勉強すれば 大丈夫だろ、と思ってた.
冒頭に書いたように、次の仕事のために
「知らなきゃいけない」という追い込まれ感もあって、始めた.



って、本当は今日あとでエントリしようと思ってたのは
別のネタだったんだけど
ブログ書くための確保時間をオーバーしちゃったんで、また今度.てヘっ.