税金への現実感と、市場論理を用いた理由付け

ここまで簡潔に、この国に税金を払うことに納得できる理由が述べられている文章は、これまでで初めて出会ったように思う.

そう、日本に税金を払う理由は、「美味しいものが食べられて、安全に過ごせて、季節や文化・経済も含めた生活の楽しみもある」.そこに住みたいと思えば税金を払えばいい.そこが価値ある住環境ならば、税金が高くても住みたい人はいる、と.
いやあ、初めて(だと思う)社会福祉的課題に対して、経済市場論理を用いたロジックの理由付けを聞いたように思うんですよ.

日本のほうがよっぽど飯は旨いし環境は良いし気候は良いし、そんな逃げませんって。日本で。


小学校の頃に、社会の授業か何かで「消費税について」とかいう副読本(資料雑誌)を配られ、感想文を書くなんてことがあったことを思い出すんですが、だいたい税金の話って「こんなところに使われます」「お年寄りや障害を持つ人の生活や、子育てなど、みんなが過ごしやすくなるでしょ?」という「未来系(使い道案)」のことしか書かれてないんですよね.
で、その使い道案が、イケてないわけですよ.マイナスでも、0点でもないけれど、決して100点でもなければ120点でもない 普通のことしか書いてない.そんな内容なら 払おうという気がしないんですよね.*1
必要に迫られてしょうがないんです ってことしか書いてなくて、それならどの国であってもほとんど「必要ならしょうがないんです」って案ですよね?しょうもない使い道案を出されても、「はあ?なんかもっと悪くなって行きそう・・・」って思えちゃいますから.


税金が足りなくなったら、「今ある何」が失われるかの現実感が持てないんですよ.


日本の良いと言われるとこが維持される、もしくはもっと良くしていけるなら確かにお金払ってもいいなって思いますね.その環境を得たいなら、金払え ならとっても納得いきます.


まあ、話の内容としては じゃあどこまでが生活に困らないお金で、どこまでならモチベーションを削ぎ落とさないのかとかの具体論はとっても難しい話だと思いますけど、前向きにするためにどう施策を打つのかという意味で メッセージとしてもとても面白い話のように思います.

http://logmi.jp/37340
話題の経済学者トマ・ピケティ教授の来日に絡めて、2月5日の大阪市長定例会見では記者から橋下徹氏へ、富裕層に対する課税についての質問が飛びました。橋下市長は「100億円の貯金に課税されるからって外国に逃げる人は、逃げてもらえばいい」と、所得の再分配に関する持論を展開しました。(2015年2月5日 橋下徹 大阪市長 記者会見 より)

*1:(いやそれでも相当私自身は、税金とか年金払ってる方の部類だと思いますけど)